CAFMとはなんですか?
Computer Aided Facility Management の略で、FM業務を支援するソフトウェアを総称していいます。
CAFMはどんなことをするソフトでしょうか?

広い意味では、以下のような、FMの業務展開の各局面で役立つコンピューターソフトウェアがCAFMであるということができます。
(JFMA HP WhatsFM より引用)


一般には以下のようなことが出来るソフトウェアが公表されています。

1.基本事項 2.オフィス関連 3.運営管理 4.維持管理 5.不動産管理
図面管理/関連書類管理 オフィス・コスト管理 ビル運営管理 ケーブル・ネットワーク管理 建物状態評価
スタッキング/ブロッキング 家具管理 プロジェクト管理 故障・修繕管理 不動産管理
  リース管理 スペース管理 ライフサイクルコスト算定・計画  
  備品・機器管理 人事情報管理 予防維持管理  
  引越し・移動管理      
CADとCAFMはどう違うのでしょうか?
CADは主に図面作成に用いられるソフトであり、CAFMはFM業務をサポートするソフトです。CADも、その応用としてCAFMとして活用することも可能なものがありますし、CAFMにおいても図面を扱えるものがあります。この場合にはCAD機能をCAFMの一部として備えるソフトと、CADがCAFMと協調して働くものがあります。また、一方で、計画や評価や計数管理に重点を置いた、CAD機能を持たないCAFMもあります。 一般には、CADソフトのみでCAFM機能を実現するにはソフトウェアのカスタマイズが必要です。

JFMAの解説書 「総解説FM」に掲載されている以下の図は、CAFMソフトとCADソフトの位置づけの違いをよく説明しています。



CADデータがあればFMを始められますか?
FMを始めるきっかけはCADデータがあるから出来るのではありません。まずは、FM技術を採用する目的を明確化し、その目的のためにどの様な情報を活用するのが良いのか、情報の整理や活用のために図面が必要で有ればCAD図は有用でしょう。しかし、その場合であっても、CAD図がそのまま活用可能か、ある程度の加工が必要かを見極める必要があります。
CADデータ利用時の注意点はなんですか?
CAD図をFMのような時間的に長い期間を対象にした業務に活用する際にはCADデータに関し、以下のような点も注意しておく必要があります。
データ互換性(再現性)の問題
パソコン技術の進展が目覚ましいため、ソフトウェアのバージョンアップや新製品の発表も頻繁に起こります。施設の有効活用を目指すFMにおいてもCADデータがいつまで使えるかが問題となります。現在、よく売れているソフトであるから10年後も使えるかどうかは誰も想像できません。そこで、CADデータを利用する際にデータの互換性を重視する必要があります。つまり現在のソフトが使えなくなってもデータを他のソフトに移行できる手段として互換性のあるデータ形式をサポートしているCADソフトの採用も一つの考慮点です。
信憑性(現物との整合性、竣工図面との違い)の問題
建物が新築されたり、改築された場合にCAD図が作成されることが多いのですが、そのCAD図が建物の現状をそのまま映し出したものであるのかにも注意が必要です。多くの場合CAD図があると言われても、CAD図作成時以降に行われたパーティションの変更などの情報が入っていないことが多く、FMで活用するために建物の現状調査を行い図面の修正作業を行う必要があります。このため、CAD図を活用するためには、普段から細かい改修も含め、工事完了時にCAD図の更新を行う必要があります。
CAFMソフトの導入形態にはどんな種類がありますか。?
 ・自社開発して使用する
 ・パッケージソフトや市販ソフトを導入して(必要に応じてカストマイズして)使用する
 ・ハードソフトともに外部に依存する外部サービスをネットワークを介して使用する
の3種類あります。 当初は自社開発して使用する方法しかありませんでしたが、現在では、パッケージソフトやサービス利用方式も一般化してきました。
自社開発は多大なコストと時間がかかりますので、大規模な事業体により採用されていることが多いようです。
パッケージは自社開発に比べれば費用と時間が節約できますが、自社のFMの目的・必要管理レベルに合わせたパーケージを選択する必要があります。
サービスの使用は、月額使用料ベースで使用できるので費用面では手軽に開始できますが、自社に適したサービスを選択する必要がある点では同様です。
小規模な事業体の場合は、市販の汎用のソフト(たとえばExcelや簡易Cadなど)でFM業務を構築しつつ、必要に応じて単機能のソフトウェアを使用する方法もあります。 いずれの場合も、まず自社のFM業務そのものを構築しながら費用対効果を考えて順次ソフトウェアの使用に切り替えていくことが、手堅い方法です。
CAFMを始めるにあたってCADソフトは必須ですか?
FMの業務は広範囲にわたって規定されています。またその目的も広範囲にわたるためCADが必須であるとは言えません。 レイアウト・設備変更などの計画時に現状のファシリティを確認する場合、あるいは配置換えや面積などをシミュレーションするなどの目的がある場合は、 CADソフトの導入検討をお勧めします。
世の中にあるCADソフトについて教えてください
CADとはコンピュータを活用したデザイン(図面作成など)アプリケーションです。 図面を描く仕事あるいは利用する仕事はさまざまありCADの種類もさまざまです。 集積回路、基板、測量など特定の業務に専門特化したCADソフトが存在します。一方、特定の業務に依存しない汎用的な図面作成機能をもった 汎用CADソフトもあります。建築設計・オフィス設計においても広範に使用されているソフトウェアがあります。
機能的には二次元だけでなく 三次元を扱えるものも増えてきました。また、CADソフトの動作するプラットフォームもWindowsだけでなく 商用UNIX、Linux、あるいはMAC OS、専用のOS上で動作するものもあります。CADソフトの多くはライセンスを購入する必要がありますが 中には無料で使用できるものもあります。
また、最近では、3次元CADをベースとした、BIM(Building Information Modeling)と呼ばれる、コンピューター上に作成した3次元の建物モデルに仕上げやコスト、 維持管理情報等を付加して建築物のデータベースを作成し、建築設計や施工、FMまで建物のライフサイクル全体で活用する手法や そのためのツール等も登場してきています。
CAFMを利用するなかで、図面を手軽に利用する方法はありますか?
図面データを閲覧することだけであれば、ビューワーを使用して簡単な操作で行うことができます。 但し、図面データの修正・追加等の変更はCADの操作が必要になります。
CAFMソフトウエアによる機能は、図面管理、書類管理、設備機器管理等がありますが、 スペース管理(組織やテナントの区分やエリア等の管理)を行うためには、 図面管理を行う必要があります。しかし、必ずしも難しいCAD操作が必要とは限りません。 近年画像ファイルの圧縮率が上がり、一般化が進んだ結果、主として既存図面を参照しながら管理業務を行う分野では、 CAD図面を.tif, .png などの汎用の画像ファイルとして保管(.jpgは図面の保存形式としては不適)し、 活用する方式のソフトウェアも使用可能となってきました。この場合、手書き図面もスキャナー (ラフでよければデジカメで)で取り込むことにより使用できるため、 手軽です。ただし、この場合も元の図面がCADならば、修正する場合は、CADが必要ですし、修正した後画像出力し再取り込みが必要となります。
ビューワーとは何ですか?
Viewer(ビューワー)とはコンピュータで作成されたデータファイルの閲覧表示または印刷のみできるアプリケーションソフトです。 例えば、PDFファイルの閲覧・印刷などができるAdobe Readerがあります。 CADソフトをもっていない相手と図面データの授受をする場合にはPDF化する方法、CADデータのビューワを相手に導入してもらう方法があります。
CAFMで扱う図面は何ですか?
対象とする業務(管理レベル)にもよりますが、案内図、配置図、平面図、立面図、設備図、レイアウト図(人員配置図)などがあります。 什器備品も図面で管理する場合があります。
CAFMを導入する一番のメリットは何ですか?
CAFMを導入する際には自社のFM業務で困っている事が何かを見いだし、その解決が図れるように考える事が大事です。一般的なメリットを下記に示します。

データベースとはなんですか?
いろいろな種類の多量な情報を構造化し効率よく管理する仕組みです。一般的に以下のような機能を持っています。


企業の基幹システム(各種業務管理システム・会計システム・経営情報システムなど)もデータベースシステムを基礎において構築されています。
将来的にはCAFMを利用したいが、今からどのような準備をしておけばよいでしょうか?
管理すべき建物や設備の図面をはじめとする各種情報を、組織別、エリア別等に分類して、台帳を整備します。 また、点検報告書等の書類の様式も標準化して置くことが、CAFMの導入をスムーズにします。紙ベースでもExcelなどの電子データであっても、 体系的に整理され、標準化されていることが、肝要です。紙ベースの資料は、劣化する恐れがあるため、スキャンして電子媒体化しておくことは有効です。

参考:施設関連資料のデジタル化で一般的な保存形式

【紙図面】・・・Tiff形式(拡張子tif) G4圧縮 300dpi〜400dpi
他にも様々な会社から高機能な独自保存形式が公開されていますが、図面は長期保存となりますので将来に亘り汎用性があり普及していることが重要です。 特別なビュアーを入手しなくても標準環境で閲覧できる事が望まれます。

【CAD図】・・・オリジナル形式と共に、画像データも併用
製品固有のオリジナル形式は将来の可読性やバージョンの互換性、再現性に問題(文字・線種化けなど)を抱えています。 DXF形式やSXF形式などの共通 フォーマットも一長一短があり、汎用性は依然確保出来ていません。 結局、TiffやPngのようなビットマップ画像形式や、PDFなどの電子文書形式を併用する事にも一理あるようです。

【写真】・・・Jpeg形式(拡張子jpg)。加工修正を行う可能性がある場合はPng形式。
L-DSCサイズ(89mm×119mm)で運用する場合、80万〜150万画素(ピクセル表示で[1280×960]位)の撮影モードで十分です。 それ以上は保存容量が無駄に大きくなってしまいます。目安は、ファイル容量平均が400KB以内です。
なお、E(サービス)版/L版とデジカメ用DSCサイズは縦横比が微妙に異なり、混在時には報告書レイアウト上の注意が必要です。

【書類】・・・オリジナル形式、PDF形式、マルチTiff形式
ExcelやWordなどはオリジナル形式のまま保存する場合も多いですが、編集が出来ない方が良い場合もありますので、用途によって考えましょう。 汎用形式で保存する場合は、複数ページを束ねて検索が可能な形式である事が必須です。

(デジタル化コストの参考値はこちら)
 

CAFMの導入にあたって考慮しておくべきことは何ですか?
CAFMの導入にあたっては、あなたの組織における現状のFM業務と今後あるべきFM業務の姿を検討して、整理することをお勧めします。
そのあるべきFM業務で要求される業務機能とCAFMの機能とのフィット&ギャップを明確にします。 その上で、次のような事項を検討して行くことになります。

  1. ソフト:CAFMソフトウエアの選定
  2. 利用形態:スタンドアロン、クライアント/サーバー型、SaaS・クラウド
  3. 運用方法:組織、人材(アウトソーシング含む)、各種データの蓄積・加工・分析・更新、各種データの入手・伝達方法

特に変更頻度の高いファシリティを管理する場合、ファシリティの変更情報がタイムリーに反映できる業務フローを確立することが肝要です。
コンピュータネットワークシステムの物理的な配置管理はCAFMの範囲ですか?
ネットワーク管理では2つの側面があります。1つは論理的な構成を把握すること、もう一つは物理的な構成を管理することです。ネットワークが不調となった際、対処するには物理的な配置を把握しておく必要があります。物理的な配置については図面情報が有効と考えられますのでCAFMの範囲と言えるでしょう。なお、論理的な構成についてはネットワーク上で稼動している機器類の情報を自動的に収集する仕組みもあります。
CAFMが余り活用されていないと云う噂を良く耳にします。
前々項の3番目の”運用方法”に問題があり、十分な効果を上げられないケースがあります。
自社の管理目的に合ったシステムの選定という点で、問題があったケースもあります。
また、経営層のFM業務自体に対する認知ということも、重要な要素です。

CAFMに限らず、情報システム一般に言えることですが、システムと人との接点の部分に解決しなければならない多くの問題が発生するケースが多いようです。
費用対効果を考えながら、基本的な機能から実現していき、成果を上げつつ負担を求める姿勢が必要です。